いつも、海遊館近くにあります築港麺工房 本店にご来店頂きありがとうございます。
私ども櫻凛堂はグループ会社である安政元年(1854年)創業の削り節屋である、黒門市場 山長商店の天然だしの美味しさをより多くの方々に知って頂く方法論の1つとして麺類店を運営しております。大阪は食いだおれの街と言われてきましたが、同時にだし文化が育まれた街でもあります。大阪の食文化は、「美味しくて安い」が当たり前、その発展の源は出汁にもあったのです。
一般的に出汁と言えば鰹節、昆布ですが、当時の大衆には毎日鰹節と昆布で出汁を取っていたらお金がかかりすぎて流石に毎日使うわけにはいかず、イリコを混ぜてみたりー昆布を少なくしてみたり、節約の試行錯誤を繰り返していたそうです。探究心旺盛な大阪の料理人は当時希少であった鰹節に変わる出汁の基を探求し、そこで発見したのが鯖(さば)節でした。
鯖(さば)節は鰹(かつお)節より甘みが強い上に、鰹(かつお)節より手に入りやすいことから、鯖節が使われるようになりました。その後も味を探求する大阪の料理人は、鯖節だけに留まらず、様々な魚の節を使い、また配合を変え、試行錯誤を繰り返し、手に入りやすくて美味いだしを探求したのでした。次に当時の料理人達が目につけたのがウルメイワシの節でした。癖は強いが鯖(さば)よりコクがあり、旨みも強く、そして手に入りやすいという事もあり、当時の麺職人の方々の間で広まり、大阪人の食のニーズにハマったウルメイワシの節は瞬く間に大阪中に広がり、家庭から料理屋さん、特に江戸末期から明治にかけて広がってきた麺類専門店に愛用されるようになったと黒門市場で大阪の市場を昭和の始めから見続けてきた私の祖母で山長商店四代目店主の南出美智子から伝え聞かさられた話です。
当時の大阪の食文化を支えてきたウルメイワシ節ですが、昨今のコスト重視のナショナルチェーンの台頭や原料の価格高騰、簡便性の高い化学調味料に押されて次第にその姿を消してきました。今では麺類店で鯖節や宗田節と混ぜて使われる程度にしか残っておらず、食いだおれの街大阪を支えてきたウルメイワシの節は徐々にその姿を消しつつあります。
築港麺工房が入居する築港ビルが昭和初期に竣工した建築物である事もあり、この度、グループ会社である山長商店と共に、大大阪時代の華やかな大阪食文化を支えたウルメイワシの節に再度光を当て、製造段階から見直し、科学調味料に頼る事なく、燻製の効いたコク深い味わいを表現する事を目的に試行錯誤を重ね、懐かしき古き良き大阪の味を、3月5日(月)より直営店舗「築港麺工房」にてウルメイワシ節の出汁を使ったおうどんをご提供させて頂くこととなりました。華やかな大大阪時代の古き良き大阪らしさが溢れるウルメイワシ節にピッタリの希少な大阪産の薄口醤油に尾張の本みりん、そして上品な甘みが特長の三温糖を使った返しを合せた極上の天然だしを「築港麺工房 本店」にてお楽しみ下さい。皆さまのご来店スタッフ一同心よりお待ちしております。
店名:築港麺工房 本店
住所:大阪府大阪市港区海岸通1-5-25
電話:06-6571-0125
アクセス:
地下鉄 大阪港駅1番出口より西へ279m
市バス 天保山(終点)下車 南へ50m
大阪港駅から413m
営業時間:
[月~金]11:00~20:00(L.O.19:30、麺切れ次第終了)
[土・日・祝]11:00~20:00 (L.O.19:30、麺切れ次第終了)